最期のクロと見守るハチ

最期のクロちゃんは、あご下と右前足に大きなリンパ腺の腫れができていた。
尿毒症も起してて、口は渇き、奇妙な口臭を放ち、目は充血して目あにが出来てた。
おなかは、処理できてない体液でぱんぱんに張っていた。
呼吸は荒く、ハチの2倍も早く呼吸してた。

ハチはたぶん分ってたのだろう。
クロちゃんは病気で苦しんでるということを。

まるでいたわるかのように、クロのおなか、おしり、目の周り、そして口鼻を中心に舐めてあげてた。
私がクロちゃんに声がけする度に、一緒に軽くワンワンと吠えてた。
時には、クンクンと鳴いたりもしてた。

病院から帰宅した時も、クロちゃんを探すかのように一階を歩きまわり、二階に向おうとした。
今まで散歩や外出から戻っても、絶対にそんな行動をしたことがない子。
常に最後まで誰かが室内に入るまで、玄関先で待ってる子だ。
あれは本当に不思議だった。